
「ADRのメリットとデメリットが知りたいな。そのうえで、現地株とARDのどちらを買えば良いでしょうか。」
このようなや悩みに応える記事です。
このページでは以下の2つを解説します。
- ADR(米国預託証券)のメリット・デメリット
- ADRと現地株のどちらを買うべきか
ADR(米国預託証券)とは、米国市場で売買できる「米国以外の国の企業の証券」のこと。

欧米株や新興国株を米国株のように取引できるのがメリットだね。
ただデメリットも実はあるんだよ。
この記事ではこのADR(米国預託証券)のメリット、デメリットを解説します。
記事を読むことで、ADRのデメリットを理解できますよ。
ADR(米国預託証券)のメリット・デメリット

メリット、デメリットをひとつひとつ解説していきます。
メリット①:外国企業(米国以外)投資できる
ADR(米国預託証券)の最大のメリットは、欧米株や新興国株など取り扱う証券会社が少ない株式を、米国株と同じ感覚で売買できること。
例えば、シェル(SHEL)やグラクソスミスクライン(GSK)などのイギリス株を米国株のように取引できるわけです。

米国以外の国に投資することで、広く分散投資もできるのもADRを活用するメリット。
デメリット①:上場廃止リスク
ただADRにもリスクがあります。
ひとつ目は「上場廃止リスク」です。
現地企業の株式は上場していても、ADRだけが上場廃止になることがあるのです。

もし上場廃止に気づかなかった場合、証券会社やケースによっては価値がなくなる可能性も。
マネックス証券では以下のように記載されています。
当社でのADRの取扱いについて
マネックス証券>米国預託証券(ADR)
原株式への転換はできません。
当社においては、預託証券から原株式への転換手続きは取扱いません。
ADR廃止はそこまで珍しいものではない。
筆者の知ってる範囲でいえば以下の日本・欧米の企業がADRを上場廃止にしました。
- NTTドコモ(日本)
- 京セラ(日本)
- BTグループ(英国)
直近ではサノフィ(仏)やシーメンス(独)のADRが楽天で買い付けが停止し、売り注文だけに取引制限がありました。
また中国株のADRは、現地当局によって上場廃止にされる懸念も浮上してます。

このようにADRを利用する際は、この上場廃止や取引制限を十分に調べたうえで購入する必要があるのです。
デメリット②:管理費用がかかる
もうひとつのデメリットは「管理費用がかかる」こと。
ADRを保有してるだけで、保有額に応じた手数料が発生することがあるのです。
マネックス証券には以下のように記載されてます。
一般的に四半期~1年毎に1株あたり0.25~5セント程度の管理費用がかかります。
マネックス証券>米国株取引で売買手数料以外の費用はありますか?
1株あたりで見れば「0.25~5セント」とそこまで大きな金額ではありませんが、株数が増え、長期で保有する株だとジワジワ効いてくるはずです。
支払いは米ドルの預かり金から引かれる形なので、ADRを利用する場合は覚えときましょう。
【Q&A】よくある質問

ADRについてよくある質問についても触れときましょう。
質問①:配当は貰えますか?
ADRの現地株同様、配当を受け取る権利も得られます。

なので配当金を得たい投資家にとっても選択肢のひとつと言えます。
よくある質問②:ADRの現地株の株価は連動する?
もし連動していれば現地株の値動きからADRの動きを予測、またその逆も可能になるからですね。
筆者も「連動してるか!?」と思ったこともありました。
しかし実際のところ需給バランス、為替、出来高などの他要因が関係するので、連動はしません。(残念ですが)
現地株とADRのどちらで買うべきか
ここまででADRのメリットとデメリット、よくある質問をまとめました。
ここで「現地株が買える株とADRなら、どちらを購入するのが良い?」と疑問におもうひともいるかもしれません。
楽天証券でADRの取り扱いがあるけど、サクソバンク証券で現地株の取り扱いがあるケースなどですね。

筆者は現地株があるなら、現地株で購入するのをおすすめします。
なぜならADRの場合、管理手数料がかかったり、上場廃止リスクがあるからです。
あくまでもADRは現地株が買えない場合の選択肢との位置づけです。

現地株が買えるなら、現地株を購入するのがベストでしょう。
ということで今回の記事がおわりです。